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  • 京都大学・産業技術総合研究所
  • 革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発
  • RISING2 (2016年度〜2020年度)
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ご挨拶

京都大学理事(産官学連携担当) 阿曽沼 慎司

21世紀を迎え、人口増大や資源枯渇などの地球規模の課題が、我々人類の持続的な発展への大きな課題となっています。そのため現在の大量生産・大量消費経済の社会から、限られた資源やエネルギーを効率よく利用する循環型社会への転換が強く求められるようになりました。こうした流れの中、再生可能エネルギーへの期待の高まりと共に、それを支える革新型蓄電池の開発は世界的に活発な研究が繰り広げられています。

天然資源が少なく、先進国の中でも最初に超高齢化社会がやってくるであろう我が国において、産官学が連携しながらオールジャパンで挑む本プロジェクトが、世界的なエネルギー問題を解決するための糸口となるよう期待しています。

プロジェクトの成功に向け、京都大学は他の参画機関と一丸となって研究開発を強力に推進して参ります。この努力が実を結び令和の時代の幕開けにふさわしい、人類発展の礎が生まれてくることを強く願っています。

阿曽沼理事

プロジェクトリーダー 京都大学教授 安部 武志

私たち社会が存続・発展していくことを目指した持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までを目指して17のゴールが定められています。このSDGsを達成するためには再生可能エネルギーの大規模導入とエネルギー利用の高効率化が必須です。二次電池(蓄電池)によるエネルギー貯蔵はその有効な手段の一つです。二次電池は、小型携帯機器用電源から始まり、近年では電気自動車まで広く利用されています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、京都大学、産業技術総合研究所(AIST)関西センターを中心とする共同研究として、多くの企業・研究機関の協力のもとに2009年から始まった革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(RISING)では、従来のトライ&エラー型の電池開発からBack to the Basisの下、放射光、中性子などを利用した解析技術を高度化し、原理原則を見直しながら、リチウムイオン電池を超える革新型蓄電池の開発に注力してきました。

革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発(RISING2)は、RISINGで得られた成果を発展させ、アニオン移動型、カチオン移動型の4つの電池系について、NEDOの委託を受けて、京都大学、AIST関西センターを中心にして、多数の企業・研究機関の協力の下、オールジャパン体制で革新型蓄電池の開発を進めております。これまでに開発・実用化された二次電池を日本の時代に当てはめると、江戸末期に鉛畜電池、明治にニカド電池、平成にニッケル金属水素化物電池とリチウムイオン電池となり、1800年にボルタによる電池が初めて開発されてから、約200年の間に4つの二次電池が大規模に実用化されてきました。電気自動車の大規模導入を目的に、令和の時代に5つめの新しい二次電池を実用化することを目指して、RISING2プロジェクトでは今後も精力的に研究開発を推進して行く所存です。今後とも皆様のご協力・ご声援をお願いいたします。

安部PL