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  • 京都大学・産業技術総合研究所
  • 革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発
  • RISING2 (2016年度〜2020年度)
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概要と展望

持続的可能な開発目標(SDGs)の取り組みのうち、エネルギー、技術革新、気候変動に関わるのが自動車です。この燃費の向上および排ガスの抑制に対応するためには、エネルギー効率の向上やCO2排出量削減につながる電気自動車(EV)の普及促進が重要となります。1800年にボルタ電池が発明されて以降、これまでに4つの蓄電池が開発されてきました。その中でも、リチウムイオン電池(LIB)は高いエネルギー密度を有し、多くのEVに用いられています。EVをより普及させるためには、ガソリン車並みの走行性能を有する普及価格帯のEVの開発が必要です。2009年から始まった「革新型蓄電池先端科学基礎研究事業」(RISING)では、電池の反応を幅広い時間的・空間的スケールで捉えることができる高度解析技術の構築を行い、これを用いた革新型蓄電池の開発を基礎的に行ってまいりました。これに引き続き、本事業(RISING2)では、さらなる高度化をはかった解析技術を基軸とし、リチウムイオン電池の性能を凌駕する革新型蓄電池を開発し、2030年以降の車載化を目指しています。

本事業では、アニオン(FおよびOH)を電荷補償キャリアとする「フッ化物シャトル電池」と「亜鉛空気電池」、カチオン(Li+)を電荷補償キャリアとする「コンバージョン電池」と「硫化物電池」の4電池系を対象とし、将来のEVで要求される500Wh/kg以上のエネルギー密度をもつ革新型蓄電池の開発を目指しています。そのため、各電池系において材料設計から反応解析にわたる要素技術を緻密に検討し、実電池構築のためのセル設計の指針を確立することを研究開発の目標としています。

これら4つの電池系すべての実用化を目指していますが、開発の課題解決の難しさは電池系により異なります。そのため、2030年以降段階的に4つの電池系が実用化されることを期待しています。

展望図
※NEDOホームページの掲載図を元に京都大学にて編集