logo

English
  • 京都大学・産業技術総合研究所
  • 革新型蓄電池実用化促進基盤技術開発
  • RISING2 (2016年度〜2020年度)
menu

硫化物電池

硫黄は資源量が豊富で安価なうえ、軽くて高性能な電池の材料として注目を集めています。同様に軽くて高容量の金属リチウム負極と組み合わせれば、電気自動車や再生可能エネルギー貯蔵、さらに飛行体用などにも展開できると期待されます。RISING2では一般的なLi-S電池における硫黄の溶出を抑制し、高性能化するための技術を中心に開発を進めています。

特徴・長所

  • 高容量正負極の利用により理論エネルギー密度が高い
  • 硫黄の溶出を抑制でき、高安全性と長寿命を期待できる
  • 比較的安価な材料で電池を構成できる
  • LIBよりも軽い

研究開発課題

  • 長寿命・高容量金属多硫化物の開発
  • 電池の性能を限定しない負極構成の提案
  • エネルギー密度と諸特性のバランスを達成するセル構成の提案
硫化物電池反応図

研究開発のポイント

  • 正極:金属多硫化物内の硫黄の安定化、硫黄数の最適化、そのための構造と反応機構把握
  • 負極:フルセル特性劣化の起因を把握し負極側で抑止できる構成の提案
  • 電池全般:通常使用状態と限界条件でのセル内反応の把握

研究成果

新規金属多硫化物材料とそれを生かす電池構成の試作セルにて高エネルギー密度を実現

試作セルの外観とその充放電特性

低結晶性VS4を用いた試作セルの外観とその充放電特性:
8Ah級セルで314Wh/kgのエネルギー密度を実証

バナジン酸ガラスとの複合化によるエネルギー効率の改善

VS4のサイクル特性の改善:典型元素Aの添加と
硫黄数の調整により、サイクル特性を大きく改善

高度解析技術による充放電反応中の副反応解析

高度解析技術による充放電反応中の副反応解析:
全散乱測定によりLi2Sの副生を確認。
典型元素未添加のVS4と比較しLi2S生成は抑制されている。